教育・研究
国際学術誌 BioPsychoSocial Medicine に研究論文が掲載されました
10月31日
理学療法学専攻の藤本大介による研究論文「Feasibility of the heaviness perception test as an assessment of interoception」(内受容感覚の評価としての重量感覚検査の実現可能性)が国際学術誌 BioPsychoSocial Medicine に掲載されました。
研究概要
内受容感覚は身体内部の状態を知覚・統合する概念であり、感情形成、意思決定および自己認識などに深く関与しています。これまで代表的な評価法として心拍数を数える課題(以下、HCT)が用いられてきましたが、推測や知識の影響を受けやすいという課題がありました。
本研究では、「重量感覚検査」を新たな内受容感覚評価法として用いました。健常な大学生41名を対象に、水が入ったバケツの重さを当てる課題を通じて内受容感覚の正確性を測定し、既存の内受容感覚指標との関連を評価しました。
その結果、重量感覚検査による成績は、身体感覚への気づきの傾向を測定する質問紙(Body Perception Questionnaire)の結果と正の相関を示し、失感情症および失体感症に関する質問紙の結果と負の相関を示しました。一方、従来のHCTとの関連はみられませんでした。
研究の意義
本研究の成果は重量感覚検査が簡便かつ実用的な内受容感覚評価法として有用である可能性を示すものであり、心身医学領域のみならず、内受容感覚の評価における臨床応用に寄与することが期待されます。今後は、発達期の子どもを対象とした研究や、神経基盤の解明への展開を予定しています。
掲載情報
【論文名】
Feasibility of the heaviness perception test as an assessment of interoception
【著者】
Daisuke Fujimoto et al.(愛知医療学院短期大学 理学療法学専攻)
Masahito Sakakibara(愛知学院大学 心理学部)
【掲載誌】
BioPsychoSocial Medicine
【公開日】
2025年10月31日
【DOI】
https://doi.org/10.1186/s13030-025-00343-x
